上司から繰り返されるパワハラのすえ、一方的な減給と職務のはく奪――。
あまりに理不尽だったので、ネットでよく目にするハラスメントの相談先に相談してみました。
- 労基署(労働基準監督署)、労働局
- 社内の相談窓口:人事・産業医・社労士
- 弁護士(成功報酬型をうたう事務所)
結果、すべて"期待外れ"でした。
この記事では、ハラスメントを相談した流れから、最終的には自身のみで “完全勝訴”に持ち込んだ 実録をお伝えします。
※この記事は実体験をベースに構成されています。あくまで主観・体験談としてご覧ください。
【前提】パワハラの証拠は万全でも退職は避けられない状況
録音やメールなど、ハラスメントの証拠はしっかりと集め、告発する準備は整っていました。
しかし、会社は取締役であるパワハラ上司を組織ぐるみで擁護する方針をとっており、退職に追い込むために服務規程や給与規程まで改訂した履歴がありました。
つまり、最初から会社に残る選択肢はありませんでした。
そこで、「自身に有利な退職を勝ち取ること」を最終目標に、ここからの話を進めていきます。
ハラスメント相談先①労基署(労働基準監督署)と労働局
まずはじめに、労基署と労働局に相談しましたが、次のテンプレ回答でした。
- 事実関係がはっきりしないと動けない
- まずは社内のハラスメント窓口へ
- 争うなら法テラスを案内する
上述しましたが、社内規程を変えるということは、”組織ぐるみでパワハラを隠ぺいする”会社です。
そのハラスメント窓口に相談しろと?こちらの立場がさらに悪くなるなどの配慮に欠ける回答でした。
ただ一点、「社内の窓口に報告しても相談してもハラスメントが改善されなければ、それが会社に不利な証拠になる」という説明は納得でした。
そのため、まずは社内のハラスメント窓口に相談・報告することにしました。
ハラスメント相談先②:人事・社労士・産業医は「会社よりの対応」だった
社内のハラスメント相談先にも報告しましたが、返ってきたのはどれも会社を守る姿勢に終始した対応でした。
- 人事:上司が取締役のため「調査に数年要する」と回答
- 社労士:会社側に訴訟リスク低減の助言(結果、規程改訂)
- 産業医:ストレス対策とした生活習慣の改善?を促された
つまり、会社に“時間を稼がせた”だけで、気づけば自分が追い詰められていました。
ここまで来ると、相手にするのは“労使のプロ集団”です。素人ひとりでは、とても太刀打ちできません。
最後の頼みの綱として、弁護士への相談に踏み切ることにしました。
ハラスメント相談先③弁護士は「門前払い」だった
ネットの検索から、複数の弁護士に相談を持ちかけましたが、すべて断られました。

■実際の相談内容はこちら
- 一方的に減給を告げられ、理由を求めてメールしても無視される
- 日常的なパワハラについては、録音やメールなどの証拠あり
- 上述②の通り、会社全体でハラスメントを擁護している状況
- 会社都合での退職を前提に、交渉を進めたい
- 退職金が支払われた場合のみ報酬を支払う「成功報酬型」での依頼を希望
なお相談した弁護士のサイトには、「成功報酬で依頼を受ける」と明示されていたのですが、話すら聞いてもらえませんでした。
役に立ったハラスメント相談先は「生成AI」だった
「労基署、人事、弁護士、だれも助けてくれない――」
このような絶望的な状況で、最終的に活路を開いてくれたのが“生成AI”でした。
実際に生成AIを活用して進めたのは、以下のような交渉の流れです。
- パワハラ被害の報告書(事実関係・日時・言動の詳細)の文章作成
- 会社の人事担当へのメール文案作成(冷静かつ効果的な伝え方)
- 交渉の進め方や戦略のアドバイス(記録の残し方、対応タイミング、心理的駆け引き)
- 合意書の法的リスクや修正案の検討
- 将来的なリスクヘッジ方法(診断書取得、失業保険申請の準備など)
そして、こちらが提示した以下の退職条件すべて、会社に受け入れられました。
- 会社都合による退職
- 減給分すべて回収
- 退職金300万円を獲得
- 有給休暇すべて消化しての退職
つまり、会社側も非を認めた形ですね。実質“勝訴”といえる結果でした。
なお、これらすべて直接の対面ではなく、文書ベースで証拠を残しながら進めるようアドバイスしてくれたのも生成AIです。
■実際に活用した生成AIツールはこちら
- Perplexity:ネット検索の代わりに使い、法的知識や相談先の情報を収集
- ChatGPT:報告書やメール文案など、交渉を支える文章作成を担当
- Copilot / Gemini:ChatGPTの動作が重いときの代替ツールとして活用
パワハラ相談先「生成AI」で理論武装できる時代
ハラスメント相談先「労基署、人事、弁護士」すべて頼った実録でした。
どこにも頼れなかった中で、活路を見出してくれたのは"生成AI"でした。これも時代ですね。
生成AIは、必ずしも正しい回答をしてくれるわけではありません。それでも、自分の知らない法律の知識を調べたり、客観的かつ正確に伝える文章を作るうえでは、頼もしいパートナーでした。
この記事が、ハラスメントに直面し、相談先を探している方の選択肢のひとつとして役立てば幸いです。