この記事では、ハラスメント(パワハラ)の証拠を残していなかった状況からの逆転劇、
パワハラの言動を“掘り起こして証拠化”、
隠ぺいする会社に事実を認めさせ、
有利な条件での退職を勝ち取った
実録をご紹介します。
■勝ち取った退職条件はコチラ
- 理不尽な減給の撤回
- 会社都合の退職
- 退職金300万円
- 有給休暇の全消化
「上司のパワハラ、証拠がなくて何もできない——」
「いま思えばあれはパワハラだった。記録しておけばよかった……」
あきらめずに動き、状況を変えた実例です。ぜひ参考にしてみてください。
Step 1:パワハラの証拠の引き出し方は「生成AI」を活用
当時の上司の言動を思い出して、生成AI「ChatGPT」と「Perplexity」に相談しました。
実際のプロンプト(生成AIに入力した内容)はコチラ。
- 目的:上司の発言がパワハラに該当する可能性があるため、証拠として記録を残すことを目的に、確認の文言を作成する。
- 内容:MM月DD日の会議(Aプロジェクト対応に関する打ち合わせ)にて、「社内手続上、管理部長からの正式な依頼が必要」という意見を述べた際に上司から「私に指図するな」と強い口調で指摘された。
- 確認のトーン:自分の伝え方に問題があった可能性を前提に、指導として受け止める姿勢を示しつつ、穏やかに意図を確認する。対立を避け、丁寧で記録に残せる表現とする。
”パワハラの証拠を残す”ことを目的としているので、「いつ・どこで・どのような言動だったのか」主観のない文言をインプットしました。
そして得た、生成AIの回答はコチラ。
MM月DD日に実施しましたAプロジェクト対応に関する打ち合わせの席にて、私の発言「社内手続上、管理部長からの正式な依頼が必要」に対して「私に指図するな」とのお言葉を頂戴しました。
その場では、私の伝え方に問題があったかもしれないと受け止めており、ご指導の趣旨を正しく理解したく、改めてご意図を確認させていただければと思いご連絡差し上げました。
お忙しいところ恐れ入りますが、差し支えない範囲でご教示いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
上上司と直接話すのは精神的ストレスでしたので、上記はメールで送りました。
結果、返信はありませんでしたが、それも「説明責任を果たしていない証拠」とし、パワハラの報告書に記載しました。
Step 2:ペン型ボイスレコーダーを常備した
常態化していたパワハラの記録漏れを防ぐため、また社内窓口に相談した内容も確実に残すために、ペン型ボイスレコーダーを常に持ち歩きました。

これにより、いざ会社や上司と対面で話すときも、自分の感情を抑えて、冷静に事実だけを客観的に伝えられたのがメリットでした。
Step 3:パワハラの経緯を時系列で報告書にまとめた
パワハラの発言や出来事を「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」といった、5W1Hの要領で時系列にまとめるよう、客観的かつ分かりやすく整理・仕上げるよう生成AIに指示した内容がコチラ(以下例)。
1. 表題:ハラスメントに関する報告書
2. 申立人:〇〇〇〇/〇〇部(氏名/所属部署名)
3. 相談の趣旨:
YYYY年MM月頃より、○○さん(以下「上司」)による一方的な業務指示や不適切な言動が継続しており、精神的・身体的に強い負担を感じています。
特に、事前説明のない減給や業務剥奪、人格を否定するような発言が複数回確認され、業務の適正な範囲を逸脱していると受け止めています。
今後の適切な対応をお願いするため、本報告書にてこれまでの経緯を時系列でご報告いたします。
4.発生経緯
- 日時・場所:○月○日、Aプロジェクトの定例会議中
- 概要:申立人の業務上の説明申立人が「本件は社内手続上、管理部長からの正式な依頼が必要です」と説明したところ、上司は「私に指図するな」と強い口調で発言。申立人は後日、発言の真意を確認するメールを送付したが、回答は得られなかった。
- 影響:他メンバーの前での発言であり、申立人の発言権を奪い、精神的圧力となった。
- 根拠:○○(Step1のメールファイル名を記載)
※上記要領で、ハラスメントの証拠を「日時・場所」でまとめたものを記載。
5.今後の対応に関する要望
これまでの経緯や会社対応、心身への影響を踏まえ、同様の職務継続は困難と判断しております。
本件について、当事者としての主張に基づいた対立ではなく、会社との協議のもとで解決策を探ることを希望しております。
具体的には、会社都合での退職を含めた選択肢の中で、双方にとって合理的かつ穏便な方法での解決を検討いただきたく、お願い申し上げます。
※ポイント:自ら辞めるとは絶対に言わないこと。しかしながら組織ぐるみで上司のパワハラを擁護する体制なので、継続勤務は困難であることを示す。そのうえで「会社としては辞めてほしいんでしょ?であればよい退職条件を示せ」というスタンスで締めくくる。
このような形式で、上司から告げられた「理由のない減給」や「一方的な職務のはく奪」なども含めて報告書にまとめ、会社に提出。
その後のやり取りでも生成AIを活用し、上司の不当な対応を客観的に明らかにすることができました。
結果として、会社側もハラスメントの事実を認めざるを得なくなり、退職交渉も有利に進めることができました。
まとめ:パワハラの証拠は「後からでも遅くない」
パワハラの証拠が手元になくても、記憶や記録をたどり、生成AIを活用することで“証拠を引き出す”ことは可能です。
今回ご紹介したのは、そうした方法で会社に事実を認めさせ、退職交渉を有利に進めた実例のひとつです。
「パワハラの証拠がない」「もう遅いかも」とあきらめている方、まずは生成AIに入力して相談してみてはいかがでしょうか。